バドミントン(デフスポーツ)
2024年度採択者
父がバドミントンをしていた影響で、幼いころから練習に連れて行ってもらっていました。その環境の中で自然とラケットを握るようになり、小学1年生のときに本格的に始めました。
基本的なルールは一般のバドミントンと同じですが、コートに入るときに補聴器を外し、全員が“音のない世界”でプレーするのが特徴です。男子では高速ラリーが見どころですが、足音や打球音が全く聞こえないため、視覚に集中し、相手の表情や動きを読み取る力、そしてパートナーとのコミュニケーション力が求められます。無音の中で生まれる「阿吽の呼吸」や連携プレーは、この競技ならではの魅力です。
攻撃的なスマッシュと粘り強さが強みです。試合が長引いても集中力を切らさずプレーを続けることで、相手にプレッシャーを与えられる点が自分の強さにつながっています。
一方で、「先を読む力」と「フットワーク」が課題です。音が聞こえない分、視覚で相手の動きを読み取り、より速く動くことを心がけています。
今の自分があるのは、これまで支えてくださった方々のおかげだと強く感じています。そのサポートがあるからこそ、安心して競技に専念し、挑戦を続けることができます。“感謝の気持ち”を忘れず、目標に向かって努力を重ねていきたいと思います。
中学生のとき、健常者も参加する大会でシングルス全道3位を獲得したことが大きな転機でした。この結果をきっかけに南北海道の代表選手に選ばれ、「全日本中学生バドミントン選手権大会」に出場。団体戦の混合ダブルスでは無敗を記録し、今の自分につながる自信と経験を得ることができました。
高校入学当初はクラスで積極的に話すことができませんでしたが、部員や監督、家族など多くの方々のサポートのおかげで、こうしてバドミントンを続けることができています。
2025年11月、感謝の気持ちを胸に挑んだ「東京2025デフリンピック」では、男子ダブルスで銀メダル、混合団体戦では念願の金メダルを獲得することができました。この経験を糧に、さらに成長を目指して努力を続けていきたいと思います。将来は、競技力を高めるだけでなく、聴覚に障がいのある子供たちにバドミントンを教え、次世代の選手の育成に携わりたいです。