スポーツクライミング スピード
2023年度採択者
スポーツクライミングは、兄の影響で5歳のころに始めました。その後、中学1年生のときに日本山岳・スポーツクライミング協会の次世代アスリート育成事業「アスリート育成パスウェイ」に応募し、合格したことをきっかけに、本格的に“スピード種目”に取り組むようになりました。兄は今でも、兄妹でありながら、良きアドバイザーとしても支えてくれる存在です。
スピード種目の壁は、どの大会でも同じようにホールドが配置されていますが、選手によってさまざまなルートや登り方がある点が魅力的です。さらに、最後の一瞬まで勝敗がわからず、わずかなミスや体のズレが勝負を左右します。その“ハラハラ感”が、この種目のおもしろさだと感じています。
スピード種目では、タイムの安定性が重要です。どの大会でも一定のタイムを出せるのが自分の強みだと思います。
一方で、全体の平均タイムをさらに引き上げることが今後の課題です。特に、失速してしまう後半部分を重点的に練習しています。持久力や上半身の筋力トレーニングを取り入れ、改善を目指しています。
家族をはじめ、学校やクライミング関係の方々など、多くの支えにより、今の自分があると実感しています。だからこそ、怪我や困難なことがあっても諦めず、それを成長の糧にしていきたいです。いつか競技を通じて、恩返しができたらと考えています。
2023年のシーズン終盤に肩を脱臼するなど重要な場面で怪我をすることが多く、医師からも「復帰は難しいかもしれない」と言われました。正直、諦めかけたこともありましたが、自分にできることを精一杯やろうと決め、リハビリや筋力トレーニングに取り組みました。その結果、2024年3月に無事日本代表に復帰することができ、諦めずに挑戦し続けることの大切さを実感しました。
スピード種目はまだ競技人口が少ないスポーツですが、私がオリンピックなどの大きな舞台で活躍することで、多くの人に魅力を知ってもらい、競技の普及につながればうれしいです。また、来年進学する大学では、さらなる学びを深めながら、自身のパフォーマンス向上に努めていきたいと考えています。