車いすテニス(パラスポーツ)
2020年度採択者
車いすテニスとの出会いは9歳半のときの病気がきっかけです。入院中に主治医からいろいろなパラスポーツを紹介してもらいました。動画サイトでパラスポーツを調べる中で、車いすテニスを見て“ビビッと”くるものがあり、始めました。
車いすテニスは、競技用の特殊な車いすに乗ってプレーをします。選手の体格や障がいなどに合わせてカスタマイズされたオリジナルの競技用車いすにとても魅力を感じます。
素早いチェア操作で自由自在に車いすを操り、強力なショットを打ち込む。ショットやチェア操作の迫力のある音やラリーのスピード感、取れないと思ったボールが取れたときの驚きなどたくさんの見どころがあります。
障がいは、他の人からするとハンディキャップに感じてマイナスにとらえられがちです。
でも「”障がい=ハンディキャップ”のまま人生を終わらせたくない」という強い想いがあります。この障がいを自分の武器にして、他人と違う自分に自信を持って競技活動に取り組んでいます。
チャンスボールを確実にものにする決定力、試合でベストパフォーマンスを発揮するためのメンタルの準備など自分にはまだまだ成長の余地があると思います。課題を克服し、強化することで、長期にわたる海外での連戦においても常に100%の力を出せるようにしたいと思っています。
2021年4月に開催されたトルコでの複数のITF(国際テニス連盟)大会で22戦無敗という成績をおさめ、ITFジュニアランキングにおいて史上最年少、日本人男子初の世界1位を獲得することができました。世界の強豪選手にも勝つことができ、自分の自信につながりました。今後の大会にも良い影響がでるのかなと感じています。
家族や友人をはじめ、日頃からサポートをしてくださっている関係者の皆さまからの応援があるからこそ、日々競技に打ち込み、楽しくプレーできていると感じています。自分ができる最大限の恩返しは“勝つこと”です。感謝の気持ちだけではなく、結果を出すことで恩返ししたいと思っています。
さらにグレードの高い大会で結果を残し、グランドスラムやパラリンピックなどの大舞台で活躍することを目指しています。また選手としてだけではなく、一人の人間として成長して、同じ病気で苦しんでいる子供たちに夢や勇気を与え、誰かの憧れの選手になれるよう努力していきます。